限界利益の限界ってどういう意味?

経営

会社の会議で限界利益という言葉が出てきたけど、いまいち理解できなかった・・・

そんな経験ありませんか?

限界利益は多くの会社で使われている便利な指標ですが、少し複雑なので初めての方には難しい部分もあると思います。

この記事では限界利益の考え方について説明していきます。

この記事を読めば
限界利益の意味
限界利益の求め方
限界利益の使い方
がわかります。

こんな方におすすめ

・会議で限界利益について話題になる営業部の方
・毎月決算分析で限界利益を使用している経理マン

まずは変動費と固定費に分ける

限界利益を出すには、まず費用を変動費と固定費に分ける必要があります。

ですがその前に製造原価、販売管理費との違いについて一応説明します。

左の損益計算書は製造原価と販管費に分かれていますね。
こちらはよく見る形式だと思います。

右の方は項目は同じですが、並び方が異なっています。
変動費と固定費に分けているので、変動損益計算書と呼ばれています。
売上高から変動費を引いた後の利益は限界利益という名前になっていますね。
このように各勘定科目を変動費と固定費に分けることを固変分解と言ったりもします。

つまり限界利益を出すためには、固変分解して変動損益計算書を作成する必要があります。

販売量・生産量(売上高)に連動するか

変動費とは売上高に連動する費用、固定費とは売上高に関わらずかかる費用のことです。

つまり変動費と固定費を区分するには、その費用が売上高に連動するかどうかを判別する必要があります。

分け方は会社によって違う

固定費と変動費は科目ごとにあらかじめ決められているものではありません。
会社ごとに科目の中身を判別して、変動費か固定費に分類する必要があります。
仕入高などは大体変動費に分類されることが多いですが、やはり売上高にしているかを確認してそれぞれの会社で判別する必要があります。

限界利益とは

限界利益を出すための固変分解についてはわかっていただけたと思います。

これで限界利益を出すことができますね。
ですがなぜ売上高から変動費をひいたものが限界利益と呼ばれるのでしょう。

「限界」という言葉にしっくりこない方も多いのではないでしょうか。

ここで限界の意味について考えてみたいと思います。

そもそも限界利益ってなに?

限界利益=売上高-変動費 で表されます。

変動費とは売上高や生産量に応じて増減する費用のことで、代表的なものには仕入高や原料費などがあります。変動費はこれ!と決まっているわけではなく、事業構造や金額の大小によって含めたり含めなかったりするのでご注意ください。限界利益は管理会計上の指標として用いられるので、損益を正しく表すようにそれぞれの会社で変動費を設定します。

では、売上高から変動費を引いたものがなぜ限界利益と呼ばれるのでしょうか

限界の意味

限界利益は英語でmarginal profitとなります。marginalはいわゆるマージンですね。売買による差額利益というとわかりやすいでしょうか。

70円の商品を仕入れて100円で売った時のマージンは30円です。このマージン30円=限界利益ということになります。

つまり限界というのはlimitではなくmarginで考えるとしっくりくると思います。

「30円以上利益が出ないから30円が限界の利益」という考え方もありますが、売上高から仕入れを引いたマージン(取り分)が30円と考えると腑に落ちると思います。

この30円って粗利(売上総利益)じゃないの?って思われた方がいるかもしれません。今の例では単純化する為に仕入だけを変動費としましたが、商品売買を行っている企業では運送費や梱包費なども変動費としていることが多いです。

細かく見てみると・・・

70円の商品を仕入れて、販売用に5円で梱包して、送料を10円かけて、100円で売った時

限界利益は100円-70円-5円-10円=15円 となります。

商品1個売って15円の限界利益にしかなりませんね。

限界利益で固定費をカバーする

さて限界はマージンであるということは理解いただけたと思います。せっかくなので限界利益をどのように経営に生かすのかを考えてみましょう。

先ほど商品1個売って、限界利益は15円となりました。しかしここで終わりではありません。固定費がまだ残っています。最終利益を出すには、固定費を上回る限界利益を出す必要があります。

例えば固定費(オフィスの家賃や人件費などの売上に関わらずかかる費用)が20万円/月かかるとします。商品を1個売ると15円の限界利益なので・・・200,000÷15=13,333個以上売らないと利益がでませんね。

ここから企業が利益を増やすために、

①固定費を減らす

②限界利益を増やす

どちらかの経営戦略をとっていくことになります。

リストラなどは固定費削減策の1つですね。営業マンが販売単価を下げて怒られるのは限界利益が下がってしまうからです。

まとめ

今回は限界利益の限界の意味についての解説でした。

ついでに限界利益による経営判断まで紹介しました。

言葉の意味を理解すると知識も定着しやすくなると思います。

試験勉強やお仕事にお役立てください。

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