【かんたん】消費税課税事業者の判定手順 

経理

開業したての会社などでは消費税の納税義務があるのかの判定が難しいですよね。もちろん顧問税理士にお願いすれば済むのですが、自分でも理解したいという方のためにフローチャートに沿って解説します。

消費税の課税事業者とは

事業者は、国内において行つた課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第三十条第二項及び第三十二条を除き、以下同じ。)及び特定課税仕入れ(課税仕入れのうち特定仕入れに該当するものをいう。以下同じ。)につき、この法律により、消費税を納める義務がある。

消費税法第5条第1項

外国貨物を保税地域から引き取る者は、課税貨物につき、この法律により、消費税を納める義務がある。

消費税法第5条第2項

このように国内取引、輸入取引については消費税の納税義務について定められています。

基本的に国内で課税資産の譲渡等を行っている事業者は納税義務があると思っていただいていいと思います。ただこれは原則なので、例外としていくつかの条件に該当する場合は納税義務の免除が認められています。

次からは納税義務が免除となる条件についてフローチャートに沿って確認しています。

課税事業者の判定フローチャート

課税事業者の判定は概ねこのようなフローチャートで表すことができます。

では1つずつみていきましょう。

基準期間の課税売上高が1,000万円超

基準期間とは個人事業者であれば前々年の1月から12月、法人であれば前々事業年度を指します。

基準期間の課税売上高は税抜き金額ですが、基準期間が免税事業者の場合は消費税がそもそも課されていないので、税抜き処理をせず判定することになります。

消費税課税事業者選択届出書を提出している

免税事業者であっても、消費税課税事業者選択届出書を提出していれば課税事業者になることができます。

非課税売上が多い事業者や多額の設備投資予定がある場合には還付を受けるために提出を検討する余地があります。

特定期間の課税売上高と給与額が1,000万円超

特定期間とは個人事業者であれば前年の1月から6月、法人であれば前事業年度開始の日以後6月の期間です。

基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えていれば課税事業者となります。

なお売上高の代わりに給与額で判定を行っても良いとされているので、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えていても、給与額が1,000万以下であれば給与額をもって免税事業者と判定することが可能となります。

設立から2年目以内の法人で、資本金の額または出資の金額が1,000万円以上または課税売上高5億円超の会社の子会社

設立から2年目以内の法人は基準期間が存在しないため通常は免税事業者となります。しかし資本金の額または出資の金額が1,000万円以上の事業者は相当の事業規模を有するとの判断から、納税義務は免除されません。

あくまで基準期間がない2年目までの判定基準なので、3年目以降は基準期間における課税売上高で納税義務を判定することになります。

また資本金1,000万円以下であっても、課税売上高5億円超の会社に支配されている一定の場合に該当する場合は課税事業者となります。

まとめ

消費税の課税事業者の判定は細かな条件があって難しいですが、図にすると頭の中が整理しやすくなると思います。

詳しくは消費税法や基本通達をご確認ください。

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