デスクワークへ憧れて経理への転職を考えて、インターネットで調べたり転職エージェントに相談してみたけれど・・・

経理は専門性が高いから未経験で転職するのは難しいよ!

未経験で転職できたとしても待遇は期待できないですよ!
このようなことを言われてモチベーションが下がっていませんか?
実は未経験でも経理に転職できて、満足のいく待遇で働いている人は一定数います。
なぜならIT化の進歩により最近の経理業務はPCスキルやITスキルが求められる割合が増えてきているからです。
また、スタートアップ企業も増えていて、そのような人数の少ない会社の経理は法務や労務までわかる、幅広い知識をもつひとが重宝される場合もあります。
実際、筆者がこれまで働いてきた会社で転職してくる人は経験者7割、未経験3割でしたので決して低い水準ではありません。
この記事では、これから未経験で経理に転職しようとする人が持っていると有利なスキルを10個紹介します。
この記事を読むと転職に向けて身に着けるべきスキルと、面接で何をアピールすべきかがわかります。
★転職活動に向けて自分の強みを確認したい
★転職に向けて勉強したいけど、なにをしたらいいかわからない
★未経験で経理職に応募してなかなか書類が通らない
それでは1つずつ紹介していきます。
経理・会計・税務系の資格、知識
日商簿記3級以上などは応募時の要件になっていることも多いので、やはり資格系は持っていて損はないと思います。
公認会計士や税理士科目合格などがあれば、未経験でも他の応募者と差別化できるので面接に進む確率もかなり上がるのではないでしょうか。
ただ、合格するにはかなりの勉強時間が必要になるので計画的に進めましょう。
経理系の資格には簿記以外にもFASS検定などのあまり馴染のない資格もあります。
中には合否ではなくてスコアで評価してくれる検定試験もあるので、興味のあるものにチャレンジするのをおススメします。
別の記事で簿記以外の経理資格について書いていますので、詳しく知りたい方は是非ご覧になってください。
しかし大事なのは資格を持っているかどうかより、知識があるかどうかということです。
資格がなくても知識がある場合は書類や面接で積極的にアピールしていきましょう。

時間がとれてチャレンジしたい人は税理士科目
自分に合った難易度・ジャンルを選びたい人は検定試験がおすすめだよ
エクセル、スプレッドシートのスキル
実は多くの会社の経理業務で日常的にエクセルまたはスプレッドシートを使用しています。
最近では仕訳をCSVで作成して会計システムにインポートするパターンがかなり増えています。
さらに支払処理、入金処理、経営会議資料、予算作成、計算書類(いわゆる決算書)・・・などの業務は会社によって一部、または全部をエクセルを使用して行っています。
会計知識があってもエクセルが苦手で作業が遅いという方、実は結構います。
多くの取引は毎月同じようなものになるので、会計知識が少し足りなくてもエクセル作業が正確で早い人の方が欲しがられる場合も多くあります。
SUM関数はもちろん、SUMIF、VLOOKUP、ROUND、SUBTOTALなどは使いこなせるととても良いです。

エクセルができないと仕事にならないと思った方がいいかも・・・
システム導入・運用経験
どの会社でも何かしらの会計システムを使用していて、5~10年に一度はシステムの入れ替えをすることが多くあります。会社の規模に会計システムが合わなくなってきた、ERPを導入することにした・・・など会社の成長に合わせて入れ替えていきます。
一応システム屋さんは構築設計、導入支援を行ってはくれますが、本当に使いこなすためには業務フローや出力したい帳票などを洗い出して、システム屋さんとやり取りする社内の人間が必要になります。
会計システムだけであればまだ良いですが、会計システム、販売管理システム、人事給与システムを入れ替えて、システム間で連携させるようにする場合などはかなりのスキルが必要です。
せっかく高いシステムを入れたのに、逆に業務効率が落ちた、50%くらいの機能しか使いこなせていないなどの経験を意外と多くの企業がしています。
システム導入プロジェクトの経験があれば、必要な会社にとっては重宝されるかもしれません。

システムの知識と経理の知識を両方持っている人はプロジェクトメンバーとしての活躍機会があるよ
数字を分析する力
これは経理のイメージ通りでしょうか。
どうして今月は利益が減ったのか、会議で報告することもあります。

そんなの売上が減ったからに決まってるじゃないですか~
これではだめですよね。
先月より販売単価がいくら下がったことで○円、残業が増えたことで人件費が○円、計○○円利益が減りました。
このように原因と結果を具体的に報告する必要があります。
分析が得意な方は是非アピールしていきましょう。
小さな違和感を追求する力
数字を分析する力と似ていますが、違う側面の話です。
「経理の作業は正確だ」というイメージがあると思います。しかし正確には「作業の途中には間違えていることもあるけど、ミスを発見し、最終的には正確に完成させている」と言えます。
そしてこのミスを発見するのに役立つのが小さな違和感を追求する力なのです。
例えば月末の支払準備をしていて、AさんとBさんのどちらが良い仕事をしているでしょうか。

今月はいつもより件数が少ないなーラッキー♪
早く帰ってドラマ見よーっと

今月はいつもより件数が少ない・・・なんでだろう。
そういえば営業部の請求書を見ていない気がする!
件数が少ないことに疑問を持ったBさんの方が良いですね。
ルーチンワークが多いからこそ、いつもと違うと感じたら原因を見つけようとすることがとても大事です。

ミスをしないことと同じくらい、ミスに気付くことも大事だよ
分かりやすく伝える力
経理の仕事では営業などの現場の人、経営層、経理部内、監査法人、税理士など様々な人と会話・メールでのやり取りが発生します。
例えば損益分析を説明する際に、会計知識のある営業部長と会計知識のない製造部長に同じ言葉で話しても片方には伝わりませんよね。(部長なんだからそれくらい勉強しろ、という気持ちは抑えてください)
税務知識のない人に交際費は損金算入なりません、というと会計上も費用にならないと誤解する場合もあります。交際費は他の費用に比べて税金計算が不利になるんですよ・・・などと相手によって適切な伝え方ができるのは非常に重要です。
特に経理は融通が利かないと思われがちなので、かみ砕いた言葉で伝わるように説明してあげましょう。
自分で調べる力
経理は業務の都合上、様々な社内書類を閲覧できるようになっています。
現場の人に聞いて内容確認しないと科目が判断できない、ということも多いのですが実は自分で調べる方法も0ではありません。
稟議書、契約書をはじめ各部の資料の閲覧権限などがある場合はそこから根拠を確認し、経理処理を行うこともできます。

自分で調べる力のある人は成長も早いよ
労務・その他法律に関する知識
会社の規模によっては給与計算や法務を経理がやっている場合があり、そのような会社であれば当然必要な知識ですね。しかし経理とは別に人事や法務部がある場合でも、これらの知識は経理業務を行う上でとても重要です。
人件費の仕訳は社会保険や所得税などが複雑に絡むので、労務知識があるに越したことはありません。労働保険料や退職給付引当金など、決算処理は複雑になるので労務知識があると理解しやすいですし、人事部の方とのコミュニケーションも取りやすくなります。
また、経理に関係するその他の法律としては、下請法や債権債務関係の民法、印紙税を判断する為に契約文書の号数判別など・・・かなり幅広く関係してきます。
経理処理は契約書に基づいて行うことが基本ですので、契約書の文章をしっかり読み込めることも重要になってきます。

全部を覚えるのは大変だから、調べ方を知っておくだけでもいざというときに対応できるよ
内部統制の知識
まずは会計監査を受けている場合は、内部統制の状況をみられますね。内部統制の作りを見るのが内部統制整備評価、適切に運用されているかを見るのが内部統制運用評価などと言われます。
つまり会計監査でやり取りする際にはこのような知識が必要になりますし、普段の業務でも会計監査で問題になりそうな事柄にアンテナを張って事前に対処することが求められます。
「会計監査受けてないから関係ないや」・・・ほんとうにそうでしょうか?
経理はお金が関係するので横領が起こる可能性があります。さらに経理以外でも営業マンや支店など、経理の目が届かないところでキックバックや横領が行われることもあります。
つまり不正を防止する為に、すべての会社が統制を効かせた仕組みを構築する必要があります。会計と出納の分離はその代表ですね。
内部統制をクリアした仕組み作りをできる経理マンは市場価値が高くなります。
プログラミングスキル
最近はクラウド型のシステムを使用することが増えてきました。そのクラウド型システムについてる機能にAPIというものがあります。外部アプリとデータの連携をできたりする機能です。
例えば会計ソフトのfreeeではAPIを使用して、エクセルやPOSレジ、販売管理システムなどとの連携が可能となっています。この連携の仕組みを作る際にプログラミングのスキルが必要になります。
いちいち外注やシステム部に依頼していては臨機応変に対応できませんし、会計知識がある人が構築する方が使いやすいものができると思います。
スプレッドシードのGASやエクセルのVBAなども使用している会社がありますね。
これらを構築できる経理マンは意外と少ないので習得を目指してみてはいかがでしょうか。
まとめ
未経験でもこれらの強みがあれば面接突破できる可能性がかなりアップします。
もちろん会社で求めている人材とマッチするということは前提ですが、ほかの候補者との差別化は図れるのではないでしょうか。
未経験での転職がうまくいくこと願っております。