キッチンカー開業に興味があっても、実情がよくわからないという方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
とくに「どうすればキッチンカーで成功できるのか」は、みなさん気になりますよね。
そこでこの記事では、
- (コロナ時代における)移動販売業界の将来性
- 移動販売のメリット&デメリット
- 移動販売で成功する7つの方法
コロナ時代でも移動販売業界に将来性はあるの?
具体的な方法と開業手順を解説する前に、キッチンカー業界の将来性について少し触れておきたいと思います。
(いくら移動販売が夢のある仕事だとはいえ、この業界自体が縮小していくようでは話になりませんから^^)
こちらは↑東京都福祉保健局の「食品衛生関係事業報告」に掲載されているキッチンカー登録台数の推移です。
右肩上がりに上昇していて、年々増加傾向にあることが分かります。
ただしこの実績はコロナ発生前のもの。
2020年に入り、世界は思いがけず「コロナと共存」という経験したことのない時代を迎えることになってしまったわけですが、コロナ発生後の現在はどうなっているのでしょうか・・・?
コロナ禍でもキッチンカーの新規開業者が続々?!
じつはコロナ発生後の現在においても、キッチンカーの新規開業者は増え続ける傾向にあるようです。
テレビ放送されたFOOD TRUCK COMPANYさんの開業セミナーの様子を見ると、毎月300人ほどが新規開業を目指して受講されているとのこと。
コロナで店舗営業が厳しくなったこともあり、キッチンカー営業に転換する飲食店が増えているのも一つの要因になっているようですね。
キッチンカーで開業する4つのメリット
このようにコロナ禍においても開業者が増える状況にあるキッチンカー業界ですが、店舗営業と比べて移動販売にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
わたしが実際にこの業界に携わってみて感じたメリットとしては、つぎの4つが挙げられると感じています。
- 家賃がかからない
- 上限なく売り上げを伸ばせる
- 販売労力が最小限で済む
- 売りたい場所を選んで出店できる
メリット①|家賃がかからない
コロナ発生以降、飲食店にとって一番大きな負担となっているのが家賃の支払いです。
売上は大幅に減っているのに、毎月の家賃は支払わざるを得ないという苦しい状況に置かれ、借金を抱えての廃業に追い込まれるケースも多発しています。
その点キッチンカーの固定費といえば、車両の維持費や駐車場代くらい。
コロナ時代の飲食店としては、最もリスクの小さい営業形態であることは間違いありませんね。
メリット②|上限なく売上を伸ばせる
もちろん商品力・販売力が必要なのは言うまでもありませんが、
- 人が集まるところに出向いていける
- 売れる場所で販売できる
という二つのポイントの掛け合わせによって、大量販売が可能となります。
そのため個人の店舗営業では到底無しえないような売上を、たった1日で達成することもできるという大きなメリットがあります。
メリット③|販売労力が最小限で済む
店舗営業では、清掃や食器・カトラリーの管理、接客、人事管理など、調理以外の部分で時間と労力を消耗します。
手のかかる作業が多く、人件費の支払いで利益が少なくなってしまうのです。
いっぽうでテイクアウト形式を基本とするキッチンカーなら、
- 調理に労力を集中できる
- 人件費を最小限に抑えられる
- 長時間労働から解放される
という点で、必要最小限の労力で営業することができ、利益を最大限享受できるというわけです。
メリット④|売りたい場所を選んで出店できる
また固定の店舗とは違い、自分の好きな場所だけに絞って出店することが可能です。
コロナによる外出自粛が続いたとしても、販売拠点を中心街から住宅街へと移すことができるので、人の動きに合わせた出店も可能となります。
さらに、
- 雨の日はお店を休む
- 集客の悪い場所からは撤退する
など、とにかく自由に好きな場所で出店できる自由度の高さは、移動販売にしかない大きなメリットだと言えるでしょう。
キッチンカー開業のデメリット
いっぽうで、移動販売にもデメリットはいくつかあります。
- 天気や気温の影響をもろに受けてしまうため、思い通りの販売がしずらい
- 出店場所が見つからなければ販売すらできない
- 重たい荷物や食材の積み下ろしで、体に負担がかかりやすい
など、けっしてメリットだけではないのが移動販売の現実です。
また移動販売では多くの方が失敗しやすい共通点もいくつか見られます。
あらかじめ知っておくことで失敗しない開業につながると思いますので、こちらもぜひ読んでみてください。
移動販売で成功するための7つの法則
前置きが長くなりましたが、移動販売の成功に関する解説に戻りたいと思います。
まず結論から言いますと、成功に必要なポイントは下記の7つです。
- 複数の出店先を確保すること
- 臨機応変なメニュー対応力
- リピーターを生む商品力
- メニュー表・外観の工夫で惹きつける
- 原価と経費をコントロールする
- 移動販売以外の収入源を持つ
- 先輩オーナーとのつながりを持つ
いったいどういうことなのか、ひとつづつ掘り下げてみていきましょう。
成功の法則①|複数の出店先を確保すること
移動販売の成功に欠かせないポイントとして最初にお伝えしたいのが、「出店場所の確保」です。
出店場所をたくさん確保できる人は、その中から「売れやすい場所」だけに絞って出店することもできますし、出店日数を稼ぐことで売上アップにもつながりますね。
出店場所の確保なしに、移動販売の成功はありえないということです。
出店エリアが広いほど出店場所を確保しやすくなりますので、可能な限り出店エリアを広げて出店するようにしてみてください。
(出店場所をの探し方については、こちら↑のページで詳しく解説しています。)
また自分の居住地にとどまらず、「移動できる」という強みを最大限に生かして販売商圏を広く持っているオーナーのほうがより成功する確率は高まります。
インターネットを活用し、他府県の情報も積極的に調べてみましょう。
成功の法則②|臨機応変なメニュー対応力
次にご紹介するのが「臨機応変な(メニューの)対応力」です。
これはどういうことかといいますと、
- 出店場所の客層
- 季節や温度、天候
- 他のキッチンカーとの商品の競合
を考えながら、その場のお客のニーズにできるだけ合わせたメニュー展開をするということですね。
具体的にどういうことなのか、更に解説していきます。
①各出店場所の客層に合わせる
その出店場所に、どんなお客さんが集まるのかを考えたメニュー構成をしよう!
移動販売は固定店舗と違って、出店場所ごとに客層が変わります。
平日のオフィス街なのかスーパーマーケットに出店するのかによって、お客さんが食べたいと思うものは全く違うのです。
「人通りのある場所に行けば売れる。」という単純なものではありません。
その場にいるお客さんのニーズに寄せていけるメニュー展開が、成功の秘訣です。
②季節や温度、天候
その日の温度・季節に合わせたメニュー構成にしよう!
更に、お客さんのニーズというのは、年齢や性別だけでなく、その日の気温や温度・天候によっても大きく変わります。
- 真冬にたい焼き屋さんに行列ができる(=真夏は売れない)
- 真夏にかき氷が飛ぶように売れる(=真冬は売れない)
というように移動販売の売上は環境に大きく左右されるのです。
売上の落ち込みをカバーできるようなメニュー構成は、必須であると言えますね。
③他のキッチンカーとの競合
他のキッチンカーと商品が重なりすぎないような工夫が必要です。
そしてもう一つ覚えておいていただきたいのが、他のキッチンカーとのメニューの競合です。
例えば、「出店するイベントに、たこ焼き屋さんばかり集結していた。」などということは結構起こってきます。
すると売上が各店舗に分散。一店舗あたりの売上としては少なくなってしまいますよね。
こういうときに、減った売上をカバーするような他のメニューを販売していたり、たこ焼き以外のメニューで出店するといった対応力のあるキッチンカーなら、きちんと売上を残せるわけです。
このように、
の3つの点で臨機応変なメニュー対応ができるキッチンカーは成功しやすいと思いますので、なにか一つでも取り入れて実践していただきたいと思います。
成功の法則③|リピーターを生む商品力
いっぽうで「キッチンカーで販売するメニューをコロコロ変える」というのは現実的にはそう簡単にできることではありません。
このことから、わたしがオススメするのは主力になるメニューをなにか一つ決めること。
他店に絶対に負けないと言えるくらい美味しい主力商品を作ったうえで、サイドメニュー的な商品を組み合わせることで、多くの現場に対応できるキッチンカーになれるのでオススメです。
成功の法則④|メニュー表と外観の工夫で惹きつける
そして食べ物の場合、文章や言葉以上に「視覚」に訴えかけるような魅せ方をしたほうが売上につながります。
メニュー表や外観の作り方にはある程度こだわりを持って、作り込んでいくことが成功の重要なポイントとなってきます。
魅せ方のポイント
キッチンカーの外観・メニューづくりのポイントとしては、下記の2つ。
また同じメニュー画像を複数設置するというのも、キッチンカーではよく実践されている方法です。
メニューの数が少ないお店でも、商品写真を複数設置することでお店としての賑わいを演出することができ、集客につながります。
メニュー画像の注意点|うそをつかないこと
ただし、外観やメニューを作る上で絶対に守ってほしいポイントがあります。
それは「ウソをつかないこと」です。
メニュー表の写真を信じて注文したのに、実際には思っていたものと全然違った・・・。
こういう嫌な思い↑、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
残念なことに、一部のキッチンカーや露店のなかには未だにこのような商売をされている人がいます。
ですがこれは絶対にやめておきましょう。本当に信用をなくします。
ぜひご自身の商品画像を使用して、オリジナルで制作されることを強くおすすめします。
だますつもりがなくても、メニュー写真と実際の商品があまりにも違いすぎると、やはりお客さんは不信感を抱くものです。
だますつもりがなくても、メニュー写真と実際の商品があまりにも違いすぎると、やはりお客さんは不信感を抱くものです。
オリジナルの販促物のほうが個性が出ますので、販促物の作り方にもこだわりましょう。
成功の法則⑤|原価と経費をコントロールする
次にご紹介するポイントがこちら、「原価と経費をコントロールすること」です。
キッチンカーといえども、どんぶり勘定でやっていけるような甘い世界ではありません。
についてしっかり考えた出店をしなければ、手元に利益が残せません。。
キッチンカーの経営に必要な原価や経費については、こちらの記事↑を参考にしてください。
売れ残りによる廃棄食材を極力抑えること
また、意外と見落とされがちなのが「廃棄食材」のコントロールです。
いくら原価を抑えていても、大量の食材を廃棄していたのではお金を捨てるのと同じことになってしまいます。
具体的には下記のような対策を行い、仕入れた食材をできるだけ捨てずに済むような工夫をしていくことが重要となります。
食品の再加工をするには限界がありますので、そもそも売れ残りを産まないような売れ行き予測を立てるほうが現実的だと思います。
ちなみに売れ行きの予測は、出店経験を積み重ねていくことで自然に身についていきますので、場数を踏むことが重要になりますね。
「人気のないメニュー」が足を引っ張る原因になる?
そして前述の通り、人気のない商品は思い切ってメニューからはずしましょう。
なぜなら売れないメニューは当然「売れ残り」に繋がりやすく、食材廃棄の可能性が高くなるからです。
それでも販売し続けるメリットや、強い思い入れがあるのなら販売してもOK。
そうでない限りはメニューから外してしまったほうが、成功しやすくなる場合がありますので、覚えておいてください。
成功の法則⑥|キッチンカーは副業スタートがおススメ
6つ目のポイントは、キッチンカーを副業としてスタートさせることです。
個人事業主1年目で売上も順調!キッチンカーだけでなんの不安もなく生活しています♪
なんてひと、まずいません。
またキッチンカー営業は出店場所をうまく確保できるかどうかで、結果が全然違ってきます。
これだけキッチンカーの新規参入者が増えている中、順調に出店場所を見つけられるとは思えないんですよね・・・。
よってはじめてキッチンカーに挑戦する方はぜひ、「副業スタイル」で10万円の純利益を目指してみてはいかがでしょうか?
「副業スタイル」のキッチンカー成功事例
私が過去に出会った副業スタイルの方々のお仕事はこんな感じ↓。
キッチンカーを専業にするのは、得られる収入を確かめてからでも遅くはないはず。
とにかく息の長い経営を目指すことが成功の秘訣です。
成功の法則⑦|先輩オーナーとのつながりを持つ
最後に抑えておきたいのが、「先輩オーナーとのつながりを持つこと」です。
その地域の実情を肌で感じている先輩オーナーから直接話しを聞くことは、他では得られない貴重なアドバイスになるはずです。
また先輩とのつながりを持つことで、新たな出店場所の紹介へとつながるケースもありますので是非大切になさってください。
まとめ
以上、キッチンカー業界の動向と開業のメリット、成功するための7つのポイントについて解説してきました。
これら7つのポイントの掛け合わせによって成功率は上がるはずです!
頑張ってくださいね!